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壁と心の穴はさっさと何かで埋めるべき。


穴ぼこだらけの海の側の戸建て。



パテ埋めしたら「ひょっとこみたいだなー」とか考えてましたが、少し立ち止まってこの穴の深淵を覗いてみると、そこにはバカな冗談を言うのもはばかられる現実を垣間見る。


注目すべきところは、1階は家具をぶつけたような小さな穴が一つだけなのに、2階には至るところに大きな穴がたくさん空いている、という点。



競売物件で多いのはローンの焦げ付き。裁判所風に言うと『(ケ)の事件』。パターンは夫婦関係の悪化した旦那が家を出て行き、妻子の住んでいた家のローンを放棄するケース。この戸建ても例外ではない。


ギリギリで組んだローンは小さなきっかけで返済不能となる。病気、減給、ボーナスカット、倒産。。。金銭的な不安定はまず、妻を精神的に追い込む。


追い込まれた妻は夫に「とりあえず何とかして!」とハッパをかける。自分が支える、という概念はもともとない。相手を慮る余裕は、貯金の残高と共にだんだんと失われていく。


どうすることもできない夫もだんだんと疲弊していく。すでに妻への愛情はない。どこかのタイミングで夫は出ていく。


夫は家族の為に最初こそ頑張るが、久しぶりに会いに行くと、今度は子供の態度に愕然とする。目を合わせず、瞳の奥には憎悪が混じっている。


「全部あいつが悪いのよ」「なんであんな人と結婚してしまったのかしら」妻が子供に夫の悪口を聞かせている。少しの愚痴のつもりが、子供が夫を恨む理由になることもある。


「何の為に俺は頑張っているんだ」


自分にはもう家族と呼べる存在はいないのだと悟った夫は、ローンの支払いを辞める。そして事務的に競売手続きが進行し、どこかのタイミングで妻子は家を出ていく。居座っても法律によって追い出される。


夫妻はどちらも自分を「可哀想な被害者」だと思っているフシがあるが、本当の被害者は子供の方だ。


家庭の不穏が子供に与える影響は大きい。険悪な雰囲気は子供を蝕む。苛立ちを子供に直接ぶつける場合もある。


自分にはどうすることも出来ない子供は、行き場のない怒りや憤りを壁にぶつけるしかない。殴り、蹴り、穴が空く。数年後、僕がそれをパテで埋めることになる。


2階の子供部屋に残された壁の穴、ボールペンで刺した痕跡、ポスターの裏に隠された落書きを見る度に思う。


もう少し返済計画に余裕を持たせていたら。状況が悪化した時、もしも夫が妻に相談できていたら。もしも妻が「家族で力を合わせて乗り切ろう」と夫に言えていたら。。。ささいなきっかけで最悪の結果は防げたかもしれない。


雨風を凌ぐだけの小屋に夢と理想を詰め込み、見栄やプライドまで乗せた挙句に結局、小屋も家族も破綻する。言ってはなんだが愚の骨頂だ。



身の丈に合わない住宅ローンのせいで家族がバラバラになるのなら、なんのための家なのか。

家族とは辛い時こそ助け合うものではないのか。

簡単に崩壊するようなローンも通してしまうのなら、銀行員の仕事とは一体どんなものなのか。

なんだ連帯債務ってのは。連帯保証人とはどうちがうのか?他の先進国ではそんなのないらしいじゃないか。

裁判所は離婚の時だけしゃしゃり出てくる。なら結婚も裁判所の許可制にしろよ。

3分の1が離婚している現代で、婚前交渉のない夫婦が殆どなのはどうしてか。イスラム教では結婚式の夜に新婚夫婦が膝付き合わせて交渉してるらしいじゃないか。

そもそも結婚なんて今の時代に有用性はあるのか?共同親権を基本とし、専業主婦の特権なんてはく奪しちまえ。

専業主婦ってだけでかなりのセレブじゃんか。中国では老親に子供を預けて夫婦で都市部に出稼ぎとか行ってたぞ。

みんなうるせぇ、だまれ!僕は結婚しねぇ!孤独に打ちひしがれながら一人で死ぬ!!!




壁の穴を深く覗き、考えを巡らすと滅入ってしまいヤル気がなくなるので、「パテで埋めたらひょっとこみたいになったなー」と気を逸らす。こんな穴、見えないようにさっさと壁紙を貼るに限る。


競売物件の痕跡はゴミ屋敷だったり、先延ばし癖だったり、発達障害っぽいなーと思わせるものが多い。僕がもし限度いっぱいのローンを組んだとしたら、同じような道を辿る可能性は高い。



誰かがブログで言っていた。

『競売物件にかかわる者はみな、同じ沼にいる。』

否定は出来ない。



僕が現金買いを徹底しているのは、こんな理由もあったりする。



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